馬券術ツクールの検証中に見つかった「1頭だけ一致」――2026年の単勝回収率を調べてみた

馬券術ツクールの検証中に見つかった「1頭だけ一致」――2026年の単勝回収率を調べてみた

馬券術を作っていると、ときどき「最初からこれを探していました」という顔をしながら、まったく予定になかったものが出てくることがあります。今回も、まさにそれでした。

現在PriceCodeでは、AIと一緒に新しい馬券条件を組み立て、過去レースで実際に検証する「馬券術ツクール」の作業を進めています。その途中で見つかったのが、性格の違う二つの評価方法を重ねたときに、共通する馬が1頭だけになるレースでした。

その1頭の単勝を、該当するレースすべてで100円ずつ購入したものとして集計。2026年1月から9月13日までの対象は1,421レース、回収率は132.0%になりました。

数字を見たときは、こちらも少し止まりました。132.0%。しかも、対象は1,421レースです。数字のほうから「ちょっと見ていきませんか」と袖を引っ張ってくるくらいには、気になる結果でした。

ただ、この話の面白いところは、回収率だけではありません。出発点には、AIが本来なら数えないレースまで数えていた、という出来事があります。「そこ、数えるんですか?」から始まった寄り道が、どうして単勝の検証につながったのか。今回は、その流れと月別成績をまとめて紹介します。

きっかけは、コンピ指数とPriceCodeの評価を組み合わせること

馬券術ツクールでやっていること自体は、単純です。まず、人間側から「こんな見方はどうだろう」と考えを出す。それをAIと一緒に条件へ落とし込み、過去レースに当てはめて調べる。出てきた結果を見て、意味のありそうなものをさらに掘っていきます。

「こんな見方はどうだろう」「では条件を組み合わせて調べてみましょう」「いや、それ本当に意味あります?」。だいたい、この繰り返しです。考える段階ではなかなかよさそうに見えても、数字にすると静かになる案は少なくありません。

そして、大半の案は静かに消えていきます。競馬は、思いつきに優しい世界ではありません。10個考えて10個とも沈むことも普通です。アイデアの段階では元気だったのに、検証結果の前では急におとなしくなる。そんなことを繰り返しながら、候補を探しています。

今回の出発点は、コンピ指数を中心とした指数の動きと、PriceCode側で扱っている指数・評価データを組み合わせて、何かできないかというものでした。

着目していたのは、単純な指数の高さだけではありません。ある条件がどれくらい現れていないのか。長く現れていない条件に意味はあるのか。そして、別の計測方法を使っても同じ馬が残るのか。そうした、条件の現れ方や数え方に目を向けていました。

  • ある条件がどれくらい現れていないのか。
  • 長く現れていない条件に意味はあるのか。
  • 異なる計測方法でも、同じ馬が評価されるのか。

「指数が高い馬を選ぶ」という見方とは、少し入口が違います。同じ指数データでも、そのままの値を見るのか、条件が現れる機会を見るのか、現れていない長さを見るのかで、評価の組み立て方が変わります。今回は、その違いを調べている途中で、予定にない分かれ道ができました。

その分かれ道を作ったのが、AIの数え方です。こちらが思っていた計測の範囲より、少し先まで数えていました。少し先というか、「そこはそもそも対象でしたっけ」というところまでです。

AIが、普通なら数えないレースまで数え始めた

コンピ指数を使った出現・不出現の考え方では、本来、その指数がレースに存在しなければ、そのレースは計測対象になりません。

対象となる指数が実際に存在して、初めて条件に関する機会が生まれる。その機会について、現象が起きたか、起きなかったかを数える。そもそも対象が存在しないレースでは、成功も失敗もしていないので、普通はノーカウントです。

野球に例えるなら、その日ベンチにも入っていない選手に「本日もノーヒット」と記録するようなものです。打席に立っていません。バットを振る機会以前の話です。

ところがAI側は、「今日も打っていませんね」という顔でカウントを進めていきます。こちらとしては、「いや、試合に出ていませんけど」となるわけです。

この例えで大事なのは、ヒットが出ていないという言葉だけなら似ていても、その中身は違うということです。打席に立って打てなかったのか、それとも打席そのものがなかったのか。本来考えていた計測では、その違いを分けて扱う必要があります。

したがって、もともとの考え方をそのまま形にするなら、対象の指数が存在しないレースは数えない方法を作ることになります。ここだけで話を終えるなら、「数え方を直しました」でおしまいです。記事もずいぶん短く済みます。

ただ、馬券術ツクールでは、こういう妙な案も一度は調べます。最初の意図と違っていたとしても、別のものを測る方法として残したら、どんな数字になるのか。そこまで試してみるのが、今回の流れでした。

そこで、対象が現れていないレースまで含める計測方法を、一つの別ロジックとして残しました。一方で、本来考えていた、対象の指数が実際に現れた機会だけを数える計測方法も作りました。

結果として出来上がったのは、同じ指数データを使いながら、性格の違う二つの評価方法です。元の数え方へ戻して終わるはずだったところから、比較できる相手が一つ増えました。

この時点で、回収率132.0%を狙っていたわけではありません。まずあったのは数え方の違いで、その違いを残した結果、二つの方法を並べて調べられるようになった。今回の発見は、この順番で進んでいます。

片方は「機会」を見る。もう片方は「時間」まで見る

機会だけを数える範囲と、不出現の間隔も含める範囲を重ねた概念図。
元のデータが同じでも、数える範囲が異なる。

二つの方法の違いは、何を一回として数えるかにあります。一方は、対象となる指数が実際に現れた機会だけを数えます。もう一方は、対象が現れていないレースも含めて、その現象がどれくらい長く起きていないのかを計測します。

前者は「機会」に沿った見方です。対象が存在するレースだけを追うので、計測の中心にあるのは、その指数について現象が起こり得た場面です。最初に考えていたのは、こちらでした。

後者は、現象が起きていない間のレースまで抱え込むため、「時間的な隔たり」にも目を向ける形になります。対象が存在した場面だけを切り出すのではなく、その間に挟まった不出現のレースも計測へ入ってきます。

先ほどの野球に戻すなら、「打席に立ったときだけ凡退を数える方法」と、「試合に出ていない日まで含めて、最後にヒットを打ってからどれくらい経ったかを見る方法」の違いです。同じヒットを話題にしていても、見ているものさしが違います。

こう整理すると、後者も単に意味不明な数え方というわけではありません。もともと測ろうとしていたものからは外れましたが、別の対象を測る方法として読み直すことができます。最初の設計と一致しているかどうかと、別の検証に使えるかどうかは、ここで分かれました。

二つの評価方法で異なる計測の範囲
比較する点 機会を数える方法 不出現のレースまで含める方法
計測する範囲 対象の指数が実際に現れた機会 対象の指数が現れていないレースも含む
着目するもの 対象が存在した機会における出現・不出現 現象が起きていない長さという時間的な要素
今回の作成経緯 本来考えていた計測方法として作成 途中で生まれた別ロジックとして残した

この二つを並べると、当然ながら評価される馬が異なるケースが出てきます。元になるデータは同じでも、計測する範囲が違えば、そのデータから取り出す特徴も変わります。

そこで、どちらか一方だけを見るところから、二つの結果を重ねる検証へ進みました。機会に沿って見たときと、現れていない長さまで含めて見たとき。その両方で同じ馬が評価される場面は、どうなるのか。

この問いが、今回の「1頭だけ一致」につながっています。数え方の違いを比べていたところから、選ばれる馬の重なりへと、調べる対象が移っていきました。

二つの評価が「1頭だけ一致」するレースへ絞る

二つの評価が出した候補のうち、重なった領域に1頭だけが残る概念図。
「1頭だけ」は、二つの候補集合の共通部分を指す。

二つの評価方法を並べると、別々の馬が上位に出てくる一方で、同じレースの同じ馬を評価するケースもあります。今回、さらに条件を絞ったのは、その共通部分でした。

二つの評価方法で共通する馬が、1頭だけだったレース。この条件に当てはまるレースを抽出しました。

ここでの「1頭だけ」は、二つの方法それぞれが、最初から1頭ずつしか候補を出さないという意味ではありません。二つの評価方法を重ねたとき、共通して残る馬が1頭だった、という意味です。見ているのは、それぞれの候補全体ではなく、両方に含まれる部分です。

何頭も候補がいる中で、「二人とも、その馬だけは一致しています」という状態になります。会議でずっと意見が合わなかった二人が、最後に一人だけ同じ人を指名したようなものです。そこだけ急に息が合うと、理由を聞きたくなります。

もちろん、二つの方法が一致したというだけで、結果まで決まるわけではありません。そこで今回は、一致したことを褒めて終わらず、実際の過去レースに当てはめて数字を見ることにしました。握手の写真より、集計表です。

調べる内容は、ごく単純です。共通する馬が1頭だけになったレースで、その1頭の単勝をすべて購入したらどうなったか。それを同じ金額で集計します。

「二つの見方が重なる」という話には、いろいろな説明を付けたくなります。ただ、今回の出発点として置いたのは、重なった1頭を買った場合の結果でした。言葉を増やす前に、まず単勝の払戻を確かめる。検証の軸はそこにあります。

人気もオッズも選別せず、単勝を100円ずつ集計した

購入条件に、人間による追加の選別は入れていません。人気を見て買う馬を減らしたり、オッズを見て購入対象を変えたりすることもしていません。

「この馬はちょっと怖いからやめておこう」といった判断も入れず、条件に該当した馬の単勝をすべて100円ずつ購入したものとして集計しました。

  • 二つの評価方法で共通する馬が1頭だけのレースを対象にする。
  • その共通する1頭の単勝を購入対象にする。
  • 人気やオッズによる選別を加えない。
  • すべて100円ずつ購入したものとして集計する。

この方法なら、今回確かめたい「1頭だけ一致」という条件と、購入結果のつながりを追いやすくなります。途中で買う・買わないを変えず、金額もそろえるため、集計するのは該当馬の単勝を一律に購入した結果です。

ここでいう「人気もオッズも見ない」は、購入するかどうかの選別に使わないということです。払戻はそのまま集計します。人気が気になる馬でも、オッズに目を引かれる馬でも、この検証では条件に該当したかどうかで扱いが決まります。

人間が途中参加して「ここは私の勘で」と言い始めると、別の検証になってしまいます。今回は、その出番を作らずに進めました。買い方まで凝り始める前に、まず条件そのものがどんな成績になるかを見ています。

対象期間は、2026年1月から9月13日まで。この期間で、条件に該当したのが1,421レースでした。

2026年の期間検証結果は、単勝回収率132.0%

2026年1月から9月13日までの1,421レースで、単勝回収率132.0%、的中率14.6%となった検証結果。

期間全体の結果は、次のとおりです。

2026年1月〜9月13日の単勝検証結果
項目 結果
対象レース 1,421R
的中 207R
的中率 14.6%
投資 142,100円
払戻 187,580円
回収率 132.0%

投資142,100円に対して、払戻は187,580円。該当した単勝をすべて100円ずつ購入した計算で、回収率は132.0%になりました。

対象は、50レースや100レースではありません。1,421レースです。条件に該当するたびに同じ金額を置いていき、その合計がこの数字になっています。これは、ちょっと無視しにくい結果です。

一方、的中は207レースで、的中率は14.6%でした。回収率の数字だけを見ると景気よく聞こえますが、毎回のように単勝が当たっている検証ではありません。的中率と回収率を並べると、今回の成績の輪郭がはっきりします。

回収率は、購入した金額に対して、払戻がどれくらいあったかを見る数字です。的中率は、対象レースのうち、どれくらい的中したかを見る数字です。今回の結果は、的中率14.6%と回収率132.0%が一緒に成り立っています。

ここを一つの「よく当たった」という言葉でまとめてしまうと、少し話が変わります。今回気になっているのは、この的中率で、期間全体の払戻が投資を上回ったこと。そして、それが1,421レースの集計で出てきたことです。

また、この数字は、人気やオッズを後から見て買う対象を選び直した結果ではありません。「二つの評価方法で1頭だけ一致したら、その馬を単勝100円」という集計で出ています。条件と買い方がその形でそろっている点も、今回の結果を読むうえで大切なところです。

ただし、全体の合計だけでは、どのような月を通ってこの数字になったのかは見えてきません。そこで、次に月別の成績を確認しました。全体の132.0%を、月ごとにほどいてみます。

月別で見ると、9か月のうち7か月が回収率100%超え

月別回収率の棒グラフ。7か月が100%を超え、3月は43.3%、6月は89.4%。9月は13日まで。
全体は132.0%でも、月別には大きな上下がある。

こういう数字を見たとき、まず気になるのは「どうせ一発の万馬券でしょう」という点です。競馬の回収率は、とんでもない高配当が入ると大きく動きます。合計だけが元気なのか、複数の月で投資を上回っているのか。そこを確かめるため、月別に並べました。

9月は9月13日までの集計です。

2026年の月別成績(9月は13日まで)
対象R 的中R 的中率 投資 払戻 回収率
2026/01 169 12 7.1% 16,900円 18,660円 110.4%
2026/02 177 30 16.9% 17,700円 30,180円 170.5%
2026/03 183 15 8.2% 18,300円 7,920円 43.3%
2026/04 160 20 12.5% 16,000円 23,370円 146.1%
2026/05 170 28 16.5% 17,000円 29,590円 174.1%
2026/06 147 24 16.3% 14,700円 13,140円 89.4%
2026/07 156 34 21.8% 15,600円 20,990円 134.6%
2026/08 198 30 15.2% 19,800円 31,050円 156.8%
2026/09 61 14 23.0% 6,100円 12,680円 207.9%

月別では、9か月のうち7か月が回収率100%を超えました。100%を下回ったのは3月と6月です。期間全体ではプラスですが、月ごとの成績は同じ調子で並んでいるわけではありません。

表を眺めると、好調な月と沈んだ月の両方が見えてきます。合計欄だけではつかみにくかった波が、ここではかなりはっきりしています。

1月は110.4%、2月は170.5%。そして3月で大きく沈む

1月は169レースが対象で、的中は12レース。的中率7.1%、投資16,900円に対して払戻18,660円となり、回収率は110.4%でした。

的中率を見ると控えめですが、払戻は投資を上回っています。この月だけでも、当たった割合と回収できた割合を別々に見る意味が伝わってきます。的中率の数字だけを読んで終わると、払戻の側を見落としてしまいます。

2月は177レース中30レースが的中し、的中率16.9%。投資17,700円、払戻30,180円で、回収率170.5%でした。1月に続いて投資を上回り、回収率も高い月になっています。

ところが、3月は183レース中15レースの的中。的中率8.2%、投資18,300円に対して払戻7,920円となり、回収率は43.3%でした。

ここで、かなり派手に沈みます。3月だけ床が抜けています。全体の132.0%だけを見ていると通り過ぎそうになりますが、この月も同じ条件で集計した結果の一部です。

1月は的中率7.1%で回収率110.4%、3月は的中率8.2%で回収率43.3%。的中率の高低と回収率の高低が、そのまま同じ順番にはなっていません。単勝の検証では、的中したかどうかに加えて、その払戻が合計でどうなったかまで見る必要があります。

そして3月の前は2月170.5%、後は4月146.1%です。月別に追うと、3月の落ち込みが、前後の月とかなり違う形で現れていることが分かります。

4月と5月は100%を超え、6月は89.4%

4月は160レース中20レースが的中し、的中率12.5%。投資16,000円に対し払戻23,370円で、回収率146.1%でした。

続く5月は170レース中28レースが的中。的中率16.5%、投資17,000円、払戻29,590円で、回収率は174.1%です。3月の落ち込みの後、4月と5月は続けて回収率100%を超えています。

ここだけを切り出すと、ずいぶん景気のよい並びです。ただ、月別の数字はそのまま読み進めます。次の6月は、147レース中24レースが的中し、的中率16.3%。投資14,700円に対して払戻13,140円となり、回収率は89.4%でした。

5月の的中率16.5%と6月の16.3%は近い数字ですが、回収率は174.1%と89.4%に分かれています。的中率が近いから、月の収支も近いだろうとは言えないことが、この並びにも表れています。

6月は3月ほどの落ち込みではありませんが、投資を下回った月です。期間全体がプラスでも、途中の月まですべてプラスになるわけではない。その様子が、3月と6月の二つの行に出ています。

6月の前後を見ると、5月174.1%、7月134.6%。ここでも、100%を下回る月を挟んで、その前後は100%を超える結果になりました。月別表は、よい数字を並べるためだけのものではなく、こうした途切れ方を読むためにも役立ちます。

7月、8月もプラス。9月13日時点では207.9%

7月は156レース中34レースが的中し、的中率21.8%。投資15,600円、払戻20,990円で、回収率は134.6%でした。6月に100%を下回った後、7月は再び投資を上回っています。

8月は198レースが対象で、的中は30レース。的中率15.2%、投資19,800円、払戻31,050円となり、回収率は156.8%でした。

7月と8月を見ても、的中率が高い月のほうが回収率も高い、という並びにはなっていません。7月は的中率21.8%で回収率134.6%、8月は的中率15.2%で回収率156.8%。ここでも、それぞれの指標が違う面を示しています。

9月は13日までで61レースが対象となり、14レースが的中しました。的中率23.0%、投資6,100円に対し払戻12,680円で、回収率は207.9%です。

9月の数字は目を引きますが、ここで扱っているのは9月13日までの結果です。期間全体の集計も、月別表の9月も、この時点までの成績でそろえています。

こうして1月から追うと、100%を超えた月は1月、2月、4月、5月、7月、8月、9月です。少なくとも月単位の並びでは、ある一つの月だけがプラスで、その大当たりによって全体が132.0%になった、という形ではありません。

今回の月別確認で気になったのは、この点でした。3月の43.3%という大きな落ち込みもあれば、6月の89.4%もある。それでも、複数の月で投資を上回っています。全体の回収率と月別の波を合わせて、次の検証へ進めたい結果になりました。

いちばん面白いのは、この数字へたどり着いた道筋

今回、個人的にいちばん面白いと思っているのは、回収率132.0%そのものに加えて、そこへ至るまでの経緯です。

最初にこちらから出した考えがあり、それをAIにロジックとして広げてもらう。その途中で、本来は計測対象にしていなかったレースまで数える方法が生まれる。「それ、本当に数えるんですか?」というところから始まった方法でした。

そこで本来の計測方法も作り、違う数え方を別のロジックとして残す。そして、二つが同じ1頭を指したレースだけを抽出してみる。この流れの先に、1,421レースで単勝回収率132.0%という結果がありました。

最初から「二つの方法を重ねれば、この数字になるはずだ」と狙って作ったものではありません。むしろ途中では、「AIはなぜそこを数えているんだ」というところから始まっています。目的地を決めて一直線というより、分かれ道を調べた先で、気になるものが見つかった形です。

面白いのは、その寄り道を、ただの寄り道で終わらせなかったことです。もとの意図に沿う方法をきちんと作りながら、別の数え方も検証できる形にする。そうすると、方法同士を比べたり、今回のように共通する馬を抽出したりできます。

最初の違和感が、そのまま好成績の理由になったと決めたわけではありません。違和感のあった方法を残し、別の方法と組み合わせて調べたところ、この期間の成績が出た。今回の発見は、そこまでを一つずつたどれるところに面白さがあります。

馬券術ツクールでやりたいのは、まさにこういう作業です。人間一人なら試さなかったかもしれない場所まで、AIと一緒に調べに行く。妙な案も出てきますが、まずは条件として形にし、数字を見ます。

数字が出なければ捨てる。数字が出たものは、さらに掘る。案の説明がどれだけ立派でも、検証結果がついてこなければ残しません。反対に、最初の印象が妙でも、結果が気になるなら続きを調べます。

AIとの作業は、人間一人なら掘らなかった場所まで、一緒に穴を掘りに行く感覚に近いものがあります。こちらは半分疑いながら、出てきたものを確かめる。その繰り返しの中で、今回は少し光るものが見つかりました。

金塊かどうかは、まだ分かりません。競馬では、ガラス玉もかなり金色に光ります。だからこそ、光ったところで作業を終えず、次の検証へ持っていきます。

次は別の年へ。同じ条件で傾向が続くかを調べる

検証担当者を背後から捉え、2026年の結果を確認して別の年の検証へ進む姿を表した情景。
次は同じ条件で期間を広げ、傾向が続くかを確かめる。

今回の対象は、2026年1月から9月13日までの1,421レースでした。一つの期間を調べるサンプルとしては、それなりの数になっています。全体の回収率は132.0%で、月別では9か月のうち7か月が100%を超えました。

一方で、的中率は14.6%です。月別には3月43.3%、6月89.4%という結果もありました。単勝の成績には波があり、今回の検証にも、投資を下回る月が含まれています。

ここからは、さらに別の年へ遡り、同じ条件で同じ傾向が出るかを確認していきます。「1頭だけ一致」という条件と、該当馬の単勝を100円ずつ集計する形を軸に、検証する期間を広げる予定です。

  • 別の年でもプラスになるのか。
  • 年間をまたいでも同じ傾向が再現するのか。
  • 不調期にはどこまで沈むのか。

次に知りたいのは、2026年の成績を言い換えた答えではありません。別の年でも投資を上回るのか、年をまたいで見ても傾向が残るのか、悪い時期にはどのような数字になるのか。その続きを調べてから、判断する予定です。

今回の月別成績には、好調な月と不調な月の両方がありました。別の年へ広げるときも、合計の回収率だけでなく、不調期がどこまで沈むかを確認していきます。プラスの数字が出ることと、その途中がどうなっているかは、合わせて見ておきたい部分です。

現時点で、「完成した馬券術です」と言うつもりはありません。今は、次の検証へ進めたい候補が見つかった段階です。予定外の数え方から始まった方法が、別の年でも数字を残せるのか。ここから先が、続きになります。

「そこを数えるの?」から始まった候補を、さらに掘っていく

今回の検証は、コンピ指数とPriceCodeの指数・評価データを組み合わせる作業から始まりました。その途中で、本来なら数えないレースまで含める計測方法が生まれ、機会だけを数える方法と、時間的な要素まで含める方法が並ぶことになりました。

そして、二つの評価方法で共通する馬が1頭だけだったレースを抽出。その馬の単勝を、人気やオッズによる選別をせず、すべて100円ずつ購入したものとして集計しました。

結果は、2026年1月から9月13日までの1,421レースで、的中207レース、的中率14.6%。投資142,100円に対して払戻187,580円となり、単勝回収率は132.0%でした。

月別では3月と6月に投資を下回ったものの、9か月のうち7か月が回収率100%超え。ある一つの月だけが全体を支えている形ではなく、複数の月でプラスの結果が出ています。

最初からこの答えを狙っていたわけではありません。「なぜそこまで数えているんだ」という違和感を、別の計測方法として残した先で見つかった数字でした。だからこそ、経緯も含めて面白い候補だと思っています。

馬券術ツクールでは、こうして候補を一つずつ検証し、最後まで数字が残ったものだけを今後紹介していきます。今回の方法も、次は別の年へ遡って確かめます。

1,421レースを機械的に購入した計算で、回収率132.0%。見なかったことにするには、少々数字が元気すぎます。

この「1頭だけ一致」が、この先の検証でも生き残るのか。次の結果が楽しみです。

少し怖いですが。

VALIDATION RESULT

2026年 期間検証結果

対象レース
1,421R

的中
207R

的中率
14.6%

投資
142,100円

払戻
187,580円

回収率
132.0%

MONTHLY DATA

月別成績

対象R 的中R 的中率 投資 払戻 回収率
2026/01 169 12 7.1% 16,900円 18,660円 110.4%
2026/02 177 30 16.9% 17,700円 30,180円 170.5%
2026/03 183 15 8.2% 18,300円 7,920円 43.3%
2026/04 160 20 12.5% 16,000円 23,370円 146.1%
2026/05 170 28 16.5% 17,000円 29,590円 174.1%
2026/06 147 24 16.3% 14,700円 13,140円 89.4%
2026/07 156 34 21.8% 15,600円 20,990円 134.6%
2026/08 198 30 15.2% 19,800円 31,050円 156.8%
2026/09 61 14 23.0% 6,100円 12,680円 207.9%