新潟記念2026の1週前追い切りでA評価となるのは、ダノンシーマ、ドゥレッツァ、ロデオドライブの3頭です。なかでもダノンシーマは栗東CWでラスト11秒1、ドゥレッツァは美浦Wでラスト11秒1を記録し、しっかり負荷をかけた内容。ロデオドライブは馬なりのまま余裕を残し、最終追い切りでもダイナミックな走りと良好な反応を見せました。
追い切り全体を見渡すと、強く追われて時計を出した馬だけでなく、輸送や暑さを考慮して最終週を軽く整えた馬にも注目が必要です。調教時計は通知表ではありません。数字が大きい、小さいだけで即決すると、競馬の神様から「もう少し中身も見ましょう」と赤ペンを入れられます。
- A評価:ダノンシーマ、ドゥレッツァ、ロデオドライブ
- B評価:アーバンシック、ステレンボッシュ、チェルヴィニア
- C評価:サヴォーナ、バレエマスター
ここからは各馬の1週前追い切りを整理し、最終追い切りの内容がある馬については調整の流れまで掘り下げます。さらに、新潟芝2000メートル外回りとの相性や過去10年の傾向も重ね、追い切りを予想へどうつなげるか見ていきましょう。
新潟記念2026の1週前追い切り評価一覧
新潟記念は8月30日に新潟競馬場の芝2000メートルで行われるG3です。1週前追い切りでは、美浦Wや栗東CWで長めから負荷をかけた馬、坂路で調整した馬など、それぞれ異なるメニューが組まれました。
| 馬名 | 追い切り | 時計 | 内容 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| アーバンシック | 8月20日 美浦W 良 | 97.4-66.1-51.3-37.1-11.5 | 馬なり | B |
| サヴォーナ | 8月19日 栗東坂路 良 | 55.1-40.6-26.5-12.9 | 強め | C |
| ステレンボッシュ | 8月19日 美浦W 良 | 81.9-65.6-50.7-36.4-11.0 | 強め | B |
| ダノンシーマ | 8月20日 栗東CW 良 | 84.1-67.6-51.8-36.2-11.1 | ゴール前一杯 | A |
| チェルヴィニア | 8月19日 美浦W 良 | 96.0-65.8-50.7-36.6-11.4 | ゴール前仕掛け | B |
| ドゥレッツァ | 8月19日 美浦W 良 | 81.8-65.8-51.5-37.1-11.1 | 一杯 | A |
| バレエマスター | 8月20日 栗東CW 良 | 81.3-65.5-50.8-36.5-11.8 | 稍一杯 | C |
| ロデオドライブ | 8月19日 美浦W 良 | 83.5-66.5-51.6-37.0-11.5 | 馬なり | A |
A評価の3頭は、同じ高評価でも内容が異なります。ダノンシーマとドゥレッツァは強い負荷をかけて状態を引き上げる形。ロデオドライブは馬なりで余力を示す形です。つまり、同じAでも味付けは別。カレーでいえば辛口、中辛、香り重視くらい違いますが、どれも仕上がりへの期待は持てます。
A評価3頭を詳しくチェック
ダノンシーマ|1週前に負荷を集中したメリハリ調整

ダノンシーマの1週前追い切りは栗東CWで行われ、84秒1-67秒6-51秒8-36秒2-11秒1。ゴール前は一杯に追われ、終いまでしっかり負荷をかけました。ラスト11秒1という数字も含め、1週前の段階で反応を確かめる意図が伝わる内容です。
最終追い切りは栗東坂路で単走し、4ハロン55秒5-39秒7-12秒8。1週前と比べれば明らかに軽い内容ですが、これは調整が後退したというより、すでに必要な負荷をかけたうえで整える流れです。スムーズな走りを見せており、強く追って時計を縮める必要はありませんでした。
中内田調教師も、1週前に負荷をかけて反応が良かったことを踏まえ、最終週は新潟への輸送と暑さを考慮して軽めにしたと説明しています。夏競馬では、追えば追うほど偉いわけではありません。人間だって猛暑日に全力坂道ダッシュを追加されたら、仕上がる前に無言になります。
前走の目黒記念では勝ち馬とタイム差なしの3着。キャリア10戦すべてで3着以内に入っている安定感もあります。1週前に攻め、当週は疲れを残さないように整える。この調整の強弱が明確で、A評価にふさわしい組み立てです。
新潟芝2000メートルへの適性を考えるうえでは、左回りでの実績も見逃せません。左回り成績は1勝、2着1回、3着1回で、複勝圏を外していません。直線の長い外回りで能力を発揮できれば、追い切りの良さを結果へ結びつける可能性があります。
ドゥレッツァ|一杯に追ってラスト11秒1
ドゥレッツァは美浦Wで81秒8-65秒8-51秒5-37秒1-11秒1。一杯に追われ、終いまで負荷をかけました。全体時計とラストの数字を両立しており、1週前にきっちり体を動かした点を高く評価できます。
菊花賞を制した実績があり、スタミナを生かした走りが持ち味です。一方、新潟芝2000メートル外回りでは、長い直線に向けてスピードを持続させる力も求められます。その点で、Wコースを長めから追い、最後まで動かした今回の内容は本番を意識するうえでも意味があります。
左回りでは3勝、2着2回、3着1回、着外1回と高い安定感を示しています。近走では京都大賞典で早めに押し上げたあと力尽き、続くジャパンカップは蹄球部の炎症で回避しましたが、状態が整えば復活が期待される存在です。
一杯に追われたという文字だけを見ると、余裕がなかったように感じるかもしれません。しかし、1週前追い切りは負荷をかける時期でもあります。重要なのは、強く追われたこと自体ではなく、その負荷に対して終い11秒1で応えた点です。調教欄の「一杯」は、財布の中身の話ではありません。むしろ本番へ向け、必要な仕事を済ませたと捉えたい内容です。
ロデオドライブ|馬なりの余裕が最終追い切りにも継続
ロデオドライブの1週前追い切りは美浦Wで83秒5-66秒5-51秒6-37秒0-11秒5。馬なりでまとめ、無理なく動けていました。A評価3頭のなかでは、強く追って時計を出すというより、余裕とバランスを評価したいタイプです。
最終追い切りも美浦Wで行われ、5ハロン67秒5-52秒2-38秒2-12秒1。時計だけなら派手さはありませんが、1週前に5ハロン66秒5、ラスト11秒5である程度の負荷をかけていたため、当週は疲労を残さないよう軽く整えました。
道中は気合を見せながらも鞍上のコントロール下に収まり、ゆったりした流れから楽な手応えで直線へ。馬場の外寄りを通って大きなフットワークを披露し、後ろの馬を待てる余裕を見せながら、前を走っていた馬にも馬なりで追いつきました。
自ら騎乗した辻調教師は、道中で我慢できたこと、直線でも制御された状態で後続を待てたこと、前の馬を捉える際の反応が良かったことを評価しています。状態面に問題はないという見立ても示されました。
NHKマイルカップでは、初めての東京コースとそれまで経験していなかった後方からの競馬に対応し、直線で差し切りました。勝ち時計は1分31秒5。デビューから4戦すべてで連対しており、先行だけでなく差す形にも対応できる点は強みです。
今回の焦点は、初めての2000メートル、年長馬との対戦、57キロへの対応です。追い切りでは折り合いと反応の良さを見せており、距離延長へ向けた準備としては好印象。気合が乗りながらも制御できた点は、道中の我慢が必要になる2000メートルでとくに注目したい材料です。
B評価3頭も見逃せない
ステレンボッシュ|鋭いラスト11秒0
ステレンボッシュは美浦Wで81秒9-65秒6-50秒7-36秒4-11秒0。強めに追われ、今回取り上げる8頭のなかで最速のラストを記録しました。評価はBですが、終いの切れという一点では強く目を引きます。
新潟外回りは直線が長く、加速力だけでなくトップスピードを維持する力が問われます。ラスト11秒0の反応は、この舞台を考えるうえで魅力的です。左回りでは1勝、2着2回という実績があり、エプソムカップでは勝ち馬と同タイムの2着に入って復調気配を示しました。
過去には高速馬場でも結果を残しており、直線の長いコースも合うと考えられます。前走は安田記念で10着でしたが、過去10年の新潟記念では前走G1組が5勝、2着2回。着順だけで簡単に消すより、今回の追い切りで見せた終いの反応を重視したいところです。
アーバンシック|馬なりで長めから整える
アーバンシックは美浦Wで97秒4-66秒1-51秒3-37秒1-11秒5。馬なりで長めから乗られ、ラストまで無理なくまとめました。強い負荷や派手な時計よりも、全体を通してリズムを整えた内容といえます。
評価はB。A評価勢ほど明確な強調材料はないものの、馬なりでラスト11秒5なら動きとして悪くありません。ノーザンファーム生産馬に該当し、過去10年では馬券圏内30頭のうち15頭を同生産馬が占めています。追い切りの気配とあわせて押さえておきたい一頭です。
チェルヴィニア|長めから終いを伸ばす
チェルヴィニアは美浦Wで96秒0-65秒8-50秒7-36秒6-11秒4。長めから入り、ゴール前で仕掛けられて終いを伸ばしました。全体時計をまとめながらラスト11秒4なら、実戦へ向けてバランスよく負荷をかけられています。
オークスと秋華賞を制した実績馬で、中距離では高い能力を示してきました。近走では中山記念で後方の内から進路を確保し、ゴール前で加速して5着。かつての走りを取り戻す兆しが見られました。
左回り成績は3勝、2着1回。差す競馬を得意とし、長い直線を使える新潟芝2000メートルは能力を発揮しやすい舞台と考えられます。前走はヴィクトリアマイルで16着でしたが、今回の追い切りは中距離への条件変更に向けて悲観する内容ではありません。
C評価2頭は当週の変化を見たい
サヴォーナ|坂路で強めも終いに課題
サヴォーナは栗東坂路で55秒1-40秒6-26秒5-12秒9。強めに追われましたが、A・B評価勢と比べると時計面で強調しにくく、評価はCとなりました。
ただし、追い切り評価は能力そのものの格付けではありません。左回りでは2着1回、3着1回があり、複勝率は50%。最終追い切りで反応や終いの動きが上向くかを確認したい位置づけです。
バレエマスター|負荷は十分、終いの伸びが焦点
バレエマスターは栗東CWで81秒3-65秒5-50秒8-36秒5-11秒8。稍一杯に追われ、全体時計はしっかり出ています。一方、終いは11秒8で、最後の伸びという点では上位評価馬に一歩譲りました。
長めから負荷をかけられたこと自体は評価できます。C評価だから即座に候補外、というほど単純ではなく、当週に疲れを残さず動きが整うかがポイントです。追い切り評価のアルファベットだけを見て閉じるのは、推理小説で登場人物一覧だけ読んで犯人を決めるようなもの。少々早いです。
新潟芝2000メートル外回りで追い切りを見るポイント

新潟記念で使われるのは芝2000メートルの外回りコースです。スタート地点は2コーナー奥のポケットで、最初のコーナーまで約950メートルあります。序盤から窮屈になりにくい一方、道中には緩やかなアップダウンが続き、単純な平坦コースではありません。
3コーナー付近が坂の頂点となり、そこからは下りの割合が増えます。3~4コーナーにはスパイラルカーブがあり、直線が近づくにつれてペースが上がりやすい構造です。残り300メートル付近からゴールまではおおむね平坦で、長い直線を使ってトップスピードを持続させる力が求められます。
追い切りで注目したいのは、次の3点です。
- 道中で力まず、鞍上の指示に従って走れているか
- 直線でスムーズに加速できているか
- 加速後もフォームや手応えを保てているか
この観点では、最終追い切りで我慢が利き、前の馬を捉えるときに良い反応を見せたロデオドライブが目立ちます。ダノンシーマの1週前におけるラスト11秒1、ステレンボッシュの11秒0、ドゥレッツァの11秒1も、長い直線で必要になる加速性能を考えるうえで好材料です。
ただし、直線が長いから終いだけ速ければよいわけではありません。道中のアップダウンでペース配分を誤れば、最後に息が上がります。追い切りでも全体時計と終いのバランス、折り合い、負荷をかけた時期まで含めて判断する必要があります。
左回り実績と追い切り評価を重ねる
過去10年の勝ち馬10頭のうち7頭は、左回りコースで複勝率50%以上の実績を持っていました。今回の登録馬では、サヴォーナ、ステレンボッシュ、ゾロアストロ、ダノンシーマ、チェルヴィニア、ドゥレッツァ、ロデオドライブが該当します。
| 馬名 | 左回り成績 |
|---|---|
| サヴォーナ | 0勝-2着1回-3着1回-着外2回 |
| ステレンボッシュ | 1勝-2着2回-3着0回-着外2回 |
| ゾロアストロ | 1勝-2着2回-3着1回-着外0回 |
| ダノンシーマ | 1勝-2着1回-3着1回-着外0回 |
| チェルヴィニア | 3勝-2着1回-3着0回-着外4回 |
| ドゥレッツァ | 3勝-2着2回-3着1回-着外1回 |
| ロデオドライブ | 1勝-2着0回-3着0回-着外0回 |
A評価3頭はいずれも左回り複勝率50%以上の条件を満たします。追い切りの良さとコース方向への適性傾向が重なるため、ダノンシーマ、ドゥレッツァ、ロデオドライブを中心に見る根拠が一段厚くなります。
B評価ではステレンボッシュとチェルヴィニアが該当。とくにステレンボッシュは追い切りのラスト11秒0が目立ち、左回り実績との組み合わせからA評価勢に迫る存在です。
過去10年の傾向から追い切り注目馬を補強
前走G1組は5勝
過去10年の新潟記念で連対した20頭のうち7頭は前走G1組でした。成績は5勝、2着2回、着外16回で、勝率22%、連対率30%です。
今回の登録馬で前走G1に出走したのは、安田記念10着のステレンボッシュ、皐月賞12着のゾロアストロ、ヴィクトリアマイル16着のチェルヴィニア、NHKマイルカップ1着のロデオドライブ。追い切り評価と重ねると、A評価のロデオドライブ、B評価ながら終い11秒0のステレンボッシュ、長めから動いたチェルヴィニアが候補になります。
ノーザンファーム生産馬が毎年馬券圏内
過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち15頭がノーザンファーム生産馬でした。さらに2017年以降の9開催では毎年馬券圏内に入っています。
該当する登録馬は、アーバンシック、ジュンブロッサム、ステレンボッシュ、ゾロアストロ、ダノンシーマ、チェルヴィニア、ドゥレッツァ、ロデオドライブです。1週前追い切りでA評価となった3頭がすべて含まれ、B評価の3頭も全馬が該当します。
2番人気の好成績と穴馬の共存
過去10年では2番人気が5勝、3着1回、着外4回。1番人気の1勝、2着3回、3着1回、着外5回を上回る成績です。条件が別定へ変わった昨年も2番人気馬が勝っています。
その一方、2020年を除く9開催では6番人気以下の馬が少なくとも1頭は馬券に絡みました。別定戦となった昨年も7番人気馬が3着。上位人気だけで決まりやすいとは限りません。
追い切り評価ではA評価を中心にしつつ、人気が落ち着きそうなB評価馬や、最終週に変化を見せる馬まで視野に入れるのが自然です。人気表を見てから調教欄の印象が変わることもありますが、馬の走りはオッズを見て急に速くなったり遅くなったりしません。そこは冷静にいきましょう。
大型馬は当日馬体重にも注目
過去10年では、当日馬体重520キロ以上の馬が3勝、3着2回、着外4回。勝率33%、複勝率56%を記録しています。開催最終週は芝の傷みが進みやすく、スピードだけでなくパワーも求められることが大型馬の好走につながっていると考えられます。
過去には520キロ以上の穴馬も好走しているため、当日の馬体重は追い切り評価を補う重要な確認材料です。調教で力強いフットワークを見せた馬が、実戦でも馬場をしっかり捉えられる状態かを見極めたいところです。
枠順は中枠から外枠が優勢
過去10年では、全体として中枠から外枠の複勝率が高い傾向です。1枠は2勝しているものの2、3着がなく、2019年以降は好走していません。2枠は16頭が出走して馬券圏内がありませんでした。
新潟外回りは最初のコーナーまで長いとはいえ、内枠が必ず有利になるわけではありません。追い切りで高く評価した馬がどの枠へ入るかは、最終判断で確認したいポイントです。
追い切りから見る注目順位

- ダノンシーマ:1週前の栗東CWで一杯に追われ、ラスト11秒1。最終週は輸送と暑さを考慮して軽く整え、負荷と回復の流れが明確です。
- ロデオドライブ:1週前を馬なりでまとめ、最終追い切りでも我慢、制御、反応の良さを確認。初距離への課題はあるものの、調整内容には余裕があります。
- ドゥレッツァ:美浦Wで長めから一杯に追われてラスト11秒1。高い左回り実績もあり、復調へ向けて必要な負荷をかけています。
- ステレンボッシュ:評価はBながらラスト11秒0は最速。左回りと長い直線への適性を考えれば、A評価3頭との差は小さく映ります。
- チェルヴィニア:長めから終い11秒4。中距離実績と左回り成績を持ち、条件替わりで前進を狙える内容です。
この順位は1週前追い切りを中心に、判明している最終調整、左回り実績、新潟外回りで求められる要素を重ねたものです。とくにダノンシーマとロデオドライブは、最終週を軽くした理由が明確で、時計の地味さを割り引く必要はありません。
まとめ
新潟記念2026の追い切りで中心となるのは、A評価のダノンシーマ、ドゥレッツァ、ロデオドライブです。ダノンシーマは1週前に強い負荷をかけて最終週を軽く整え、ロデオドライブは馬なりの余裕と良好な反応を継続。ドゥレッツァは一杯に追われながらラスト11秒1で締めました。
B評価では、ラスト11秒0を記録したステレンボッシュが有力な相手候補。チェルヴィニアとアーバンシックも長めから順調に乗られています。
長い直線だけでなく、道中の折り合いと持続力も問われる新潟芝2000メートル外回り。派手な時計だけに飛びつかず、負荷をかけた時期、当週の余力、左回り実績まで合わせて見ることが大切です。追い切り時計は数字の行列に見えて、実は各陣営が本番へ向けて書いた短い物語。その行間まで読めれば、新潟記念の予想はぐっと面白くなります。


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