2026年8月17日から22日までの6日間、北海道市場で1歳馬のサマーセールが開催されます。上場予定は合計1,406頭。1,000頭を大きく超える国内最大規模の1歳市場だけに、カタログを開いた瞬間から情報量が全力疾走です。こちらの目も準備運動なしでは追いつけません。
比較展示は各日8時、セール開始は11時30分。序盤2日間ではエフフォーリア産駒とダノンレジェンド産駒がそれぞれ最高価格となり、3日目以降にも実績馬のきょうだいや仔、新種牡馬の産駒が続々と登場します。
サマーセール2026は6日間の大型市場
開催地は北海道新ひだか町静内神森の北海道市場です。開催前の上場予定は牡815頭、牝591頭の合計1,406頭。日ごとのカタログ上の予定頭数は次のように組まれています。
| 開催日 | 上場番号 | 予定頭数 |
|---|---|---|
| 8月17日 | No.1~238 | 238頭 |
| 8月18日 | No.239~474 | 236頭 |
| 8月19日 | No.475~709 | 235頭 |
| 8月20日 | No.710~949 | 240頭 |
| 8月21日 | No.950~1185 | 236頭 |
| 8月22日 | No.1186~1406 | 221頭 |
実際の上場頭数は欠場などによって予定から変わり、初日は224頭、2日目は227頭となりました。3日目は228頭、4日目は231頭、5日目は228頭、6日目は219頭が上場される構成です。カタログの番号を見て「今日はここまで」と区切れるのはありがたいところ。ただし一日に200頭以上です。区切った先も、なかなかの長距離戦です。
この市場の魅力は、上場頭数だけではありません。父系、母系、生産牧場ともに幅が広く、購入者が多様な候補を比較できる点に特色があります。過去の取引馬には、香港カップなどGI6勝のモーリス、NHKマイルCを勝ったマイネルホウオウ、スプリンターズSのカルストンライトオ、宝塚記念のダンツフレーム、朝日杯フューチュリティSのマイネルレコルトがいます。
さらに、三冠を達成したミックファイア、ジャパンダートダービーを制したヒガシウィルウィン、JBCスプリントのイグナイター、全日本2歳優駿を勝ったアランバローズ、ヴァケーション、サウンドスカイ、ディアドムス、ラブミーチャンも取引馬に名を連ねます。芝、ダート、短距離、マイル、中長距離と進路はさまざま。将来どの舞台へ向かうか分からない1歳馬が並ぶからこそ、サマーセールには大きな物語の入口が1,406個あるわけです。
初日はエフフォーリア産駒が最高価格

8月17日の初日は224頭が上場され、168頭が落札されました。売却率は75.00%、売却総額は税別12億6,700万円、平均価格は税別754万1,667円、中間価格は税別530万円です。
| 項目 | 全体 | 牡 | 牝 |
|---|---|---|---|
| 上場頭数 | 224頭 | 127頭 | 97頭 |
| 落札頭数 | 168頭 | 97頭 | 71頭 |
| 売却率 | 75.00% | 76.38% | 73.20% |
| 売却総額(税別) | 12億6,700万円 | 8億6,940万円 | 3億9,760万円 |
| 平均価格(税別) | 754万1,667円 | 896万2,887円 | 560万円 |
税込では売上総額13億9,370万円、平均価格約829万円となりました。初日の最高価格馬はNo.139 トラディションの25。父エフフォーリアの牡馬で、税別5,400万円にて一門会が落札しました。近親にはフェブラリーSなどGI4勝のトランセンドがおり、父の存在感と母系の実績が同時に目を引く一頭です。
2番目はマイユクールの25。父ナダルの牡馬で、ワイズマンが税別3,600万円で落札しました。半兄はアハルテケSなどJRA5勝のタイセイサムソンです。
続くストラスペイの25は父パレスマリスの牡馬で、正和が税別3,000万円で落札。近親には目黒記念など重賞2勝のポップロックがいます。もう一頭のパレスマリス産駒レディヴァルールの25は、母がアメリカンオークス3着馬。社台ファームが税別2,900万円で落札しました。
5番目のアドヴェンチャレスの25は父エフフォーリアの牝馬で、ノーザンファームが税別2,700万円で落札。近親には北海道スプリントCを制したアドマイヤサガスがいます。上位5頭にエフフォーリア産駒とパレスマリス産駒が各2頭入り、開催初日から両父への関心が数字になって表れました。初日なのに血統の話題はすでに満員。立ち見が出そうです。
2日目はダノンレジェンド産駒が首位
8月18日の2日目には227頭が上場され、193頭が落札されました。売却率は85.02%。初日の75.00%から10ポイント以上上昇し、活発な取引となりました。
| 項目 | 全体 | 牡 | 牝 |
|---|---|---|---|
| 上場頭数 | 227頭 | 125頭 | 102頭 |
| 落札頭数 | 193頭 | 106頭 | 87頭 |
| 売却率 | 85.02% | 84.80% | 85.29% |
| 売却総額(税別) | 16億170万円 | 9億8,650万円 | 6億1,520万円 |
| 平均価格(税別) | 829万8,964円 | 930万6,604円 | 707万1,264円 |
中間価格は税別620万円。税込の売上総額は17億6,187万円、平均価格は約913万円でした。牡の売却率84.80%に対し牝は85.29%で、どちらも85%前後。片方だけが先行したというより、全体がまとまって前へ進んだ印象です。
最高価格はNo.323 ジャストアキッスの25。父ダノンレジェンドの牡馬で、今福洋介氏が税別4,000万円で落札しました。近親には京都新聞杯など重賞2勝のテンザンセイザがいます。初日はエフフォーリア、2日目はダノンレジェンド。最高価格馬の父が一日ごとに替わり、種牡馬の顔ぶれの広さを示す序盤となりました。
2番目の価格はスウィーテストエンジェルの25。父エフフォーリアの牝馬で、越村哲男氏が税別3,500万円で落札しました。母はセニョリータSで3着に入った実績があります。初日の最高価格に続いて2日目も上位に入り、エフフォーリア産駒は序盤からしっかり存在感を発揮。二日連続で名前を見ると、カタログの文字まで少し太く見えてきます。
前年総合結果と序盤を見比べる
2025年のサマーセール全体では1,390頭が上場され、1,079頭が落札。売却率77.63%、売却総額は税別76億5,900万円、平均価格は税別709万8,239円、中間価格は税別520万円でした。最高価格は父デクラレーションオブウォーのマーレグリーン2024で、税別5,000万円です。
2026年初日の最高価格5,400万円は前年全体の最高価格を上回りました。また、2日目の平均価格829万8,964円と中間価格620万円も、前年総合の水準を上回っています。ただし前年は6日間すべてを合わせた数字で、2026年は開催途中。ここは同じ距離のタイム比較ではありません。とはいえ、序盤の取引が力強く進んだことは、売却率や価格から読み取れます。
3日目はガストリックの半弟など228頭
続いて8月19日の3日目には228頭が上場されます。主な父別では、エフフォーリア産駒とデクラレーションオブウォー産駒が各4頭、ヘニーヒューズ、ゴールドドリーム、ゴールドシップ、カレンブラックヒル、ルヴァンスレーヴの各産駒が3頭です。
新種牡馬ではカフェファラオ産駒9頭、テーオーケインズ産駒6頭、パレスマリス産駒2頭が登場します。カフェファラオ産駒はこの日だけで9頭。新種牡馬の初年度産駒を横に並べて比較できるのは、多頭数市場ならではの面白さです。同じ父でも母系が変われば見どころも変わる。血統表は家系図ですが、話の枝分かれ具合は大型連続ドラマ級です。
- No.485:GI馬ローブティサージュの近親
- No.505:東スポ杯2歳Sを制したガストリックの半弟
- No.517:ダービー馬ワグネリアンの近親
- No.522:福島牝馬Sを制したキンショーユキヒメの仔
- No.580:京成杯を制したニシノエージェントの半弟
きょうだい、仔、近親と注目の理由はそれぞれ異なります。近い血縁に重賞勝ち馬がいることは関心を集める材料ですが、上場されるのはまだ1歳馬。完成形を決めつける時期ではなく、父との組み合わせや個体の特徴を見ながら将来像を考える段階です。期待は大きく、断定は小さく。このくらいが1歳馬を見るときのちょうどよい手綱加減でしょう。
4日目はスマイルカナの半妹と多彩な新種牡馬

8月20日の4日目は231頭。主な内訳はモーニン産駒9頭、タワーオブロンドン産駒7頭、ダノンレジェンド産駒とホッコータルマエ産駒が各5頭、カラヴァッジオ産駒4頭、エフフォーリア、サリオス、ナダルの各産駒が3頭です。
新種牡馬ではシャープアステカ産駒9頭、オナーコード産駒6頭、パレスマリス産駒とカフェファラオ産駒が各5頭、タイトルホルダー産駒3頭、テーオーケインズ産駒とピクシーナイト産駒が各2頭。芝とダート、国内外の血統が一日の中にぎゅっと詰まっています。お弁当ならふたが閉まらない充実ぶりです。
4日目の中心となる注目馬
- No.712 アッシュケークの25:父パレスマリスの牡馬。半兄は京成杯勝ち馬クリスタルブラック
- No.751 カルディーンの25:父エフフォーリアの牝馬。母は亜オークスなどGI2勝
- No.779 エーシンクールディの25:父ゴールドシップの牝馬。半姉は重賞2勝のスマイルカナ
- No.887 ノットフォーマルの25:父シュネルマイスターの牝馬。母はフェアリーS勝ち馬
- No.890 ルティレの25:父グレナディアガーズの牡馬。祖母はGI馬リトルアマポーラ
ほかにも、母がエーデルワイス賞2着のNo.725 アザワクの25、半兄が兵庫ジュニアGP2着のNo.746 オーサムクイーンの25、母がローズS2着のNo.754 エイシンヒテンの25、母が関東オークス2着のNo.767 ケラススヴィアの25が並びます。
海外実績を持つ母の仔も豊富です。シダーデジャルディンOSAF大賞を勝ったヴーヴフルニの仔No.756、ブラジル1000ギニー勝ち馬エスフィンジの仔No.775、パンプローナ大賞などGI2勝スマートチョイスの仔No.805、エンリケAパルド大賞勝ち馬セルヴァティカの仔No.822などが登場します。
さらに、函館2歳S2着馬を母に持つNo.789 ナムラミーティアの25、チリGI勝ち馬の仔No.794 クラリースの25、米G3で2着の母を持つNo.850 トリビングの25、愛G3で2着の母を持つNo.861 キリンダーの25、札幌2歳S2着馬の仔No.884 ブラックオニキスの25、伊オークス2着馬の仔No.888 パイアルディーナの25も上場されます。
No.903 モズソフィの25は父シャープアステカの牡馬で、半姉にエーデルワイス賞勝ち馬モズミギカタアガリ。No.907 ホーリーリーガルの25は父トーセンレーヴの牝馬で、母はアルゼンチンの重賞を2勝しています。4日目は国内の重賞実績だけでなく、南北アメリカや欧州の実績まで視線が広がる一日です。
5日目はサウンドスカイ、モズベッロのきょうだいに注目
一方、話を8月21日の5日目へ移すと、上場は228頭です。ダノンレジェンド産駒7頭、モズアスコット産駒とコパノリッキー産駒が各6頭、リアルスティール産駒とインディチャンプ産駒が各4頭、ルヴァンスレーヴ産駒2頭などが登場します。
新種牡馬ではカフェファラオ産駒9頭、ジュンライトボルト産駒とシャープアステカ産駒が各5頭、テーオーケインズ産駒4頭、パレスマリス産駒3頭、タイトルホルダー産駒1頭です。ダートGIで名を上げた種牡馬の初年度産駒がまとまって並び、どのような評価を受けるのか注目されます。
- No.969 アンジェラスキッスの25:父ゴールデンバローズの牡馬。半兄は全日本2歳優駿など重賞2勝のサウンドスカイ
- No.1060 シーサイドホームの25:父カラヴァッジオの牡馬。近親にBCクラシック勝ち馬キャットシーフ
- No.1099 ハーランズルビーの25:父タイトルホルダーの牝馬。半兄は日経新春杯勝ち馬モズベッロ
- No.1121 ファーストチェアの25:父ジャンダルムの牝馬。半兄はエルムS勝ち馬フルデプスリーダー
- No.1143 ベルヴォワの25:父モーリスの牡馬。祖母は重賞2勝のアルーリングボイス
このほか、近親にGII馬ミステリーウェイがいるNo.950 アイランドクイーンの25、半兄が川崎で3連勝したパワポケカノンのNo.964 エムティエーレの25、3代母がカナダGI馬インサイトのNo.973 エムティソレイユの25、近親にヨカヨカがいるNo.982 エムティティアラの25も上場されます。
No.991 エムティナナの25は4代母が米GI馬スリープイージー。No.1003 ケイディーズバックの25は近親にヴィッテルスバッハ、No.1027 ゴールドスカイの25は近親に香港マイル2着のゴールドファン、No.1040 サクレエクスプレスの25は祖母が重賞馬ビーポジティブです。
近親にGI3勝フィエールマンがいるNo.1080 ハワイアンムーンの25、半兄が北海道2歳優駿勝ち馬イグナシオドーロのNo.1081 ベラトリックスの25、半兄がJRA4勝のレッドライデンであるNo.1102 ブランシェールの25、半兄が若駒賞馬マツリダマスラオのNo.1179 レッドブリエの25も控えます。番号を追うだけでも忙しい一日ですが、注目血統が次々に現れるなら忙しさもごちそうです。
最終日はサブノジュニアとランフォーヴァウのきょうだい

8月22日の6日目は219頭が上場されます。主な父別ではタワーオブロンドン産駒9頭、エフフォーリア産駒とモーニン産駒が各7頭、サリオス産駒とダノンレジェンド産駒が各6頭。ヘニーヒューズ、ナダル、ホッコータルマエ、パイロ、シルバーステートの各産駒が3頭ずつ登場します。
新種牡馬ではカフェファラオ産駒が15頭と多く、パレスマリス産駒6頭、オナーコード産駒5頭、ジュンライトボルト産駒とシャープアステカ産駒が各3頭です。6日間の最後まで顔ぶれは濃厚。最終日だから軽め、とはいきません。むしろカフェファラオ産駒15頭という立派な追い込みです。
- No.1216 オールアイキャンセイイズワウの25:父ヨシダの牡馬。母はデルマーマイルH2着
- No.1226 キネオダンサーの25:父エフフォーリアの牡馬。半姉はデイリー杯2歳S勝ち馬ランフォーヴァウ
- No.1259 サブノイナズマの25:父チュウワウィザードの牝馬。半兄はJBCスプリント勝ち馬サブノジュニア
- No.1269 サザンレイスターの25:父カフェファラオの牝馬。半兄は浦和記念勝ち馬マイネルバサラ
- No.1325 バロネスサッチャーの25:父カフェファラオの牡馬。母はサンタイサベルS勝ち馬
- No.1331 ハーマフロダイトの25:父パレスマリスの牡馬。母はアストラS2着
- No.1338 ビフォーダークの25:父ベストウォーリアの牡馬。半兄はさきたま杯2着のティーズダンク
最終日の代表格にはGI・JpnI勝ち馬のきょうだい、重賞勝ち馬のきょうだい、海外重賞実績馬の仔がそろいます。なかでもNo.1226は開催全体の上場予定馬を紹介する際にも名前が挙がった一頭。父エフフォーリアで、半姉ランフォーヴァウという組み合わせが関心を集めます。
No.1259は父チュウワウィザード、半兄サブノジュニアというダート実績を連想させる血統。No.1269も父カフェファラオで、半兄は浦和記念を勝ったマイネルバサラです。もちろん血縁だけで競走成績が決まるわけではありませんが、育成後の進路を思い描く材料として目を引く存在です。
2026年の8月市場は父系の選択肢も豊富
3日目から6日目までを通して見ると、エフフォーリア、ダノンレジェンド、ヘニーヒューズ、ホッコータルマエ、モーニン、タワーオブロンドンなど、実績ある種牡馬の産駒が複数日に登場します。その一方で、カフェファラオ、パレスマリス、テーオーケインズ、タイトルホルダー、ピクシーナイト、ジュンライトボルト、シャープアステカ、オナーコードといった新種牡馬の産駒も幅広く並びます。
初日に最高価格となったエフフォーリア産駒は、その後も各日に登場。2日目の最高価格を記録したダノンレジェンド産駒も4~6日目に複数が上場されます。序盤の高額取引を見たうえで後半の産駒を比較できるため、開催が進むにつれて見方も増えていきます。
また、4日目のスマイルカナの半妹、5日目のサウンドスカイの半弟、6日目のサブノジュニアの半妹のように、実績馬のきょうだいが連日登場します。母自身がGIや重賞で活躍した馬、祖母や近親にGI馬がいる馬も多く、母系から眺めても話題が途切れません。
比較展示では一頭ごとの姿を見て、セリでは評価が価格として示されます。カタログ上の血統、現地での印象、購買者の判断が重なる瞬間こそ1歳市場の醍醐味です。数字は冷静ですが、会場の空気はきっと冷房だけでは説明できない熱さでしょう。
序盤の勢いを引き継ぎ、後半戦へ
サマーセール2026は、初日にエフフォーリア産駒トラディションの25が税別5,400万円、2日目にダノンレジェンド産駒ジャストアキッスの25が税別4,000万円で最高価格となりました。2日目は売却率85.02%に達し、平均価格と中間価格も初日を上回っています。
そして3日目以降は、ガストリックの半弟、スマイルカナの半妹、サウンドスカイの半弟、サブノジュニアの半妹をはじめ、国内外の重賞実績につながる1歳馬が続々と登場します。新種牡馬の初年度産駒も多く、既存の実績血統と新しい可能性を同じ市場で見比べられる6日間です。
一頭の1歳馬が、数年後にどの競馬場でどんな走りを見せるのか。それはまだ誰にも分かりません。だからこそ、セールの一日は未来の競馬を少し先取りする時間になります。上場番号はただの数字に見えて、実は物語の整理券なのかもしれません。もっとも1,406番まであります。呼び出しを待つ側も、どうぞ長丁場のつもりで。


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