夏の新潟競馬が、いよいよ開幕します。そのスタートを飾る重賞が第61回関屋記念です。
実績では一歩リードする復活馬、左回りのマイルで底を見せていない上がり馬、そして軽いハンデを生かしたい3歳馬が顔をそろえました。登録頭数は多くないものの、予想の難しさまで少人数制になるとは限りません。むしろ全員と目が合うぶん、悩みが増えるタイプです。
昨年からハンデ戦へ変わったこともあり、各馬の能力だけでなく負担重量、コース適性、距離変更まで丁寧に見ておきたい一戦。関屋記念の基本情報から有力馬、伏兵候補まで順番に整理していきましょう。
関屋記念2026の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年7月26日(日曜) |
| 競馬場・レース | 新潟競馬場・第7レース |
| 条件 | 3歳以上・GIII |
| コース | 芝外1600メートル |
| 位置づけ | サマーマイルシリーズ第2戦 |
| 負担重量 | ハンデキャップ |
関屋記念は1983年から2024年まで別定重量で行われていましたが、昨年からハンデ戦に生まれ変わりました。歴史ある夏のマイル重賞に、新しい難問が一枚追加された格好です。競馬ファンの鉛筆だけ、先に消耗しそうですね。
今年のサマーシリーズは全般的に波乱傾向。サマー2000シリーズでは、函館記念の3連単が32万6840円、七夕賞が22万3050円、小倉記念も26万1530円と、3レースすべて20万円を超えました。いずれもハンデ戦です。
もちろん、その結果だけで関屋記念も荒れるとは決められません。ただし、実績と斤量のバランスを考える必要があるのは確か。人気順をそのまま答案用紙に写して終わり、というレースではなさそうです。
中心はマイルへの距離延長で巻き返すダノンセンチュリー
有力候補の一頭が、今回から宮田敬介厩舎に所属するダノンセンチュリーです。1勝クラスから3連勝して挑んだ前走の京王杯スプリングカップでは、いつもの末脚を発揮できず9着に終わりました。
ただし、前残りの展開に加えて、それまで結果を残してきた1600メートルより距離が短かった一戦。騎乗したダミアン・レーン騎手も、レース後に1600メートルの方が合いそうだと振り返っています。得意条件へ戻る今回は、前走だけで評価を下げるのは早そうです。
左回りのマイル戦に限れば4勝、2着1回で連対率100%。まだ一度も連対を外していません。新潟外回りの長い直線は、末脚を生かしたい同馬にとって歓迎できる舞台でしょう。
1週前追い切りでは、美浦ウッドコースで5ハロン66秒2、ラスト1ハロン10秒7を記録。状態の良さを示す動きとなりました。ハンデは56キロで、戸崎圭太騎手とのコンビ復活。重賞初制覇へ、条件はきれいに整いつつあります。
舞台適性ならアンパドゥも見逃せない
アンパドゥは分倍河原ステークスを勝ち、オープンクラスへ上がってきました。今回が重賞初挑戦ですが、左回りのマイルという条件では非常に安定しています。
デビューからの6戦はすべて左回りの1600メートルで、成績は4勝、2着1回、着外1回。コース適性を調べようとしたら、経歴そのものが回答用紙になっていました。
デビューは3歳5か月と遅く、その後も骨折によって1年2か月以上の休養を経験。まだキャリアは浅いものの、昨夏の新潟・五頭連峰特別では長期休養明けながら高いパフォーマンスを披露し、ダノンセンチュリーを破っています。
2走前にはダノンセンチュリーの前に7着へ敗れましたが、続く前走を勝ってオープン入り。重賞初挑戦でも、これまで見せてきた走りから軽視できません。
ハンデは56キロ。初めて騎乗する岩田望来騎手は、美浦トレーニングセンターまで足を運んで事前にコンタクトを取っています。人馬の新コンビが、実戦でどのような走りを見せるか注目です。
復活したエルトンバローズ、最大の焦点は59キロ
実績最上位といえるのがエルトンバローズです。前走のしらさぎステークスでは、3歳時の毎日王冠以来となる約2年8か月ぶりの勝利を挙げました。これが重賞3勝目。2024年のマイルチャンピオンシップでも2着に好走しています。
昨年は4戦して一度も馬券圏内に入れない苦しい時期を過ごしましたが、前走では積もっていた鬱憤を晴らすような勝利。復活を印象づけました。1週前の動きも良く、重賞連勝を狙える状態です。
今回はコレット騎手との初コンビで、ハンデはメンバー中最も重い59キロ。実績を考えれば納得の重量ですが、他馬との斤量差をどう克服するかが最大のポイントになります。能力は頼もしく、斤量はずっしり。予想する側の責任まで重く感じてきます。
54キロの3歳馬サンダーストラックが古馬へ挑戦
メンバーで唯一の3歳馬がサンダーストラックです。今年のシンザン記念を勝っており、ハンデは54キロ。実績馬との重量差を生かしたい立場です。
チャーチルダウンズカップでは大きく敗れたものの、前走のNHKマイルカップは7着ながら見せ場をつくりました。19日の美浦坂路では優秀なタイムを記録しており、最終追い切りで状態がどこまで上向くかも確認したいところです。
古馬との比較は簡単ではありませんが、軽量を味方につけられる3歳馬はハンデ戦らしい注目材料。勢力図に風穴を開けても不思議ではありません。
重賞実績馬が並ぶ伏兵陣も侮れない
続いて、中心候補を脅かす実績馬と伏兵を見ていきましょう。着順だけでは判断しにくい馬も多く、ここを雑に扱うと馬券が静かに逃げていきます。
| 馬名 | ハンデ | 注目点 |
|---|---|---|
| ファーヴェント | 57キロ | 京都金杯2着、ダービー卿CT3着。近2走も着順ほど大きくは負けていない |
| シリウスコルト | 58キロ | 昨年の新潟大賞典勝ち馬。東京新聞杯では0秒2差の5着 |
| ブエナオンダ | 58キロ | 今年の京都金杯勝ち馬 |
| ドロップオブライト | 56.5キロ | 昨年のターコイズステークス勝ち馬 |
| ランスオブカオス | 58キロ | 昨年のチャーチルダウンズカップ勝ち馬 |
| クランフォード | 54キロ | 距離延長による巻き返しを狙う |
流れひとつで浮上するファーヴェント
ファーヴェントは今年、京都金杯2着、ダービー卿チャレンジトロフィー3着と、マイル重賞で好走しています。近2走は6着と9着ですが、勝ち馬との差はそれぞれ0秒3、0秒4。数字を見れば、着順ほど大きく崩れてはいません。
展開や仕掛けのタイミングがかみ合えば、重賞タイトルへ届いてもおかしくない存在です。今回は西塚騎手とのコンビが復活。57キロを背負って、持てる力を出し切れるかが焦点になります。
左回りのマイルで変化を期待したいシリウスコルト
シリウスコルトは昨年の新潟大賞典勝ち馬です。近走はひと息ですが、4走前の東京新聞杯では勝ち馬から0秒2差の5着に健闘しました。
左回りのマイルへ条件が変わることで、一変する可能性があります。福島で重賞2勝を挙げた田辺騎手が2走前に続いて騎乗予定。58キロは軽くありませんが、実績馬らしい反撃があるか注目です。
マイル重賞の勝ち馬がずらり
今年の京都金杯を制したブエナオンダ、昨年のターコイズステークス勝ち馬ドロップオブライト、昨年のチャーチルダウンズカップを勝ったランスオブカオスも登録。重賞勝ち馬が並び、肩書だけでもかなりにぎやかです。
さらに、54キロのクランフォードは距離延長で巻き返しを狙います。昨年の関屋記念は勝ち馬からクビ差、その後ろが2着同着という激戦でした。今年も簡単には決着しないメンバー構成といえるでしょう。
予想で押さえたい3つのポイント
- 左回りのマイル実績:ダノンセンチュリーとアンパドゥは、この条件で高い安定感を示している
- 実績とハンデの釣り合い:59キロのエルトンバローズを筆頭に、重賞勝ち馬には相応の重量が課される
- 距離変更と展開:距離延長で巻き返す馬や、長い直線で末脚を生かす馬に注意したい
枠順が決まった後は、騎手、血統、想定される展開、過去の結果、指数、オッズも合わせて検討したいところです。材料を増やしすぎて迷子にならないよう、まずはコース適性とハンデを予想の軸にすると整理しやすいでしょう。
2001年は岡部幸雄騎手とマグナーテンが存在感
関屋記念の過去へ目を向けると、2001年にはマグナーテンが2番手から運び、巧みに後続を引き離す走りを披露しました。そこで光ったのが岡部幸雄騎手の手腕です。
新潟のマイル戦は、長い直線だけを見ていると「最後に速く走ればいいのでは」と思いたくなりますが、位置取りや仕掛けも重要。2001年のレースは、騎手の判断が勝負へ与える影響を改めて感じさせる一戦です。
真夏の競馬を取り巻く話題
一方、話題を移すと、酷暑のなかで行われる競馬では、騎手の減量責任と騎乗停止という制裁も注目されるテーマです。ハンデ戦では負担重量が勝負の重要な要素になるだけに、定められた重量で騎乗する責任も軽くはありません。
また、今年の札幌競馬は25日に開幕。馬場状態については、施設整備課長から「100点をつけてもいいのかなと…」という言葉も出ています。新潟だけでなく、夏競馬全体が本格的に動き始める週末です。
競走馬以外に目を向けると、今年もセレクトセールは盛況でした。セレクションセールでは、ノーザンファームがキタサンブラック産駒の牡馬を7000万円で落札。将来の競馬場をにぎわせる存在が現れるのか、長い目で楽しみたい話題です。
さらに芝つながりで少し横道へそれると、2026年上半期のパター売れ筋ランキングでは、オデッセイ「Ai-ONE」が首位となりました。競馬は芝1600メートル、ゴルフはカップまで数メートル。同じ芝でも求められる末脚はずいぶん違います。そこは一緒にしないように。
関屋記念は適性、実績、斤量が交差する一戦
2026年の関屋記念は、マイルへ戻って巻き返したいダノンセンチュリー、舞台適性の高いアンパドゥ、復活を遂げたエルトンバローズが中心を形成します。そこへ54キロの3歳馬サンダーストラックや、重賞実績を持つファーヴェント、シリウスコルトらが挑む構図です。
実績だけを取るのか、適性を優先するのか、それともハンデ差に期待するのか。どの入口から考えても、それなりに筋が通ってしまうのが今年の難しいところです。
夏の新潟開幕週を飾るマイル重賞。直線へ向いたとき、復活馬の貫禄が勝るのか、それとも新しい勢力が一気に抜け出すのか。最後まで目を離せない関屋記念になりそうです。

